もうひとつの子育てってなに?

「もうひとつの子育て~はじめに~」より

 人がみなそれぞれ違うように、子育てのあり方も本来多種多様であっていいはずです。しかしながら、その重要性が叫ばれる中、いわゆる専門家の頼ることが増え、外注化が進んでいます。少子化が進み、子育ての伝承も失われた今、どうやって子育てをしたらいいのかも分からず、人に頼ってしまうという気持ちも分かります。でも、親は子を産むことによって親になるのではなく(世間ではそう言われていますが)、子を育てることによって親になるのだと思います。

 早期からの教育が大切と言われ、あれこれと子どもを連れまわし、習い事に子どもを預けることで、親は子を知ることができるのでしょうか?分からないから人に頼むのではなく、分からないからやりとりをしながらお互いを理解し合っていくのです。そのプロセスが、親になるということだと思います。

  とはいえ、こういったプロセスを一人で抱え込んで、何でも自分で解決していこうという姿にも無理があります。子どもと同じように、大人も子育て仲間、友だちを作って、一緒に悩みや不安を乗り越えていくということが大切です。子育てに関する情報は、ちまたに溢れていますが、そうではなく、お互いの体験を通して、具体的な現実に向か合っていくという姿勢が、子育てには必要です。

  いいところを見つけて、そこに子どもを預けることで、安心を得るというのではなく、分かり合える仲間を見つけ、互いに助け合う関係が子育てには欠かせません。人との関係の中で、子どもを育てる、という当たり前のことが見失われてきた今、もうひとつの子育てがあることを提案したいと思います。